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過多月経、月経困難症

Medical

過多月経

過多月経は1回の整理の出血量が多いものをいいます。毎月一定量以上の血液が失われますので、結果として貧血になってくることがあります。

過多月経の原因としては

  1. 子宮筋腫
  2. 子宮腺筋症
  3. 子宮内膜増殖症
  4. ストレスや年齢によるホルモンバランスの乱れ

などが考えられます。

月経困難症

月経困難症は毎月の生理痛が強い状態をいいます。

月経困難症の原因としては

  1. 子宮筋腫
  2. 子宮腺筋症
  3. 子宮内膜増殖症
  4. 機能性月経困難症(明らかな原因のないもの)

などが考えられます。

 

過多月経、月経困難症の治療

子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮内膜増殖症などがないかどうか確実な診断が必要です。原疾患が確定されればその疾患の治療を行うことで改善します。

特に疾患が認められない場合は対症療法を行うことになります。

対症療法としては

  1. 漢方薬の服用
  2. LEP(低用量の卵胞ホルモン、黄体ホルモン配合剤)
  3. LNG-IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)

などを行っています。

LEPについて

月経困難症や過多月経を使用目的とした保険適用薬のことを言います。避妊を目的にしたものはOCと呼ばれ、保険適用外です。LEPは子宮内膜症による月経困難症や過多月経にも有効ですが長期連用により子宮内膜症性のう胞の縮小効果も認められています。発売されているものは、ヤーズ配合錠、ヤーズフレックス配合錠、ルナベル配合錠LD、ルナベル配合錠ULD、フリウェル配合錠LD、ジェミーナ(平成30年10月発売)フリウェル配合錠ULD(平成30年12月発売)があります。

LNG-IUS(子宮内避妊器具 ミレーナ)

ミレーナについて

ミレーナ52mgは、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム(IUS: Intrauterine System)です。低用量経口避妊薬(OC)の高い避妊効果と、子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能であるという特徴を持っています。

ミレーナ52mgは、子宮内膜に作用して内膜がうすくなり、受精卵の着床(妊娠の成立)を妨げたり、子宮の入口の粘液を変化させて精子が腟の中から子宮内に進入するのを妨げたりすることで避妊効果を発揮します。

子宮内に装着されたミレーナの説明

子宮内に装着されたミレーナ52mg

過多月経、月経困難症の改善目的として健康保険が適用されています。

ミレーナ52mgは子宮内に装着されたあと、付加された黄体ホルモンが子宮の中で少しずつ放出されます。この黄体ホルモンは子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため、子宮内膜はうすい状態となり、月経量を減少させる効果をあらわします。

子宮内膜の変化の様子

子宮内膜の変化

最近では過多月経を伴う子宮筋腫の保存的療法として注目されています。2013年のMachado RB,らの論文では子宮全摘出の適応となった周閉経期の女性の89,7%がLNG-IUS使用により子宮全摘出を回避できたとのことです。

また、子宮腺筋症の月経困難症、過多月経の改善にも有効性が認められています。

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