中野レディースクリニック

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不妊治療について

女性の社会進出とそれに伴う晩婚、晩産化、また保育行政の遅れにより産みたくても産めない状況があいまって、近年、不妊治療を望まれる方が急増しております。現在日本で一年間に誕生する児の27人に一人は体外受精によって生まれているという現状です。

晩婚、晩産化の現状ではありますが、女性の生殖適齢年齢に関しては、時代が変わってもほとんど変化はありません。35歳を過ぎると妊娠率は減少してきます。生殖補助医療の進歩は、高齢の妊娠を可能にしましたが、妊娠までにかなりの努力が必要になってくるのも事実です。様々な事情から、子どもの誕生を望まれるすべての方が若いうちに妊娠、出産ができるわけではありません。ようやく妊娠できる環境になったときにはすでにかなりの年齢に達していたというのが多くの現実です。

ある程度の年齢に達しますと、子宮筋腫や子宮内膜症など、妊娠の妨げになりかねない疾患の罹患率が高くなります。また、気が付かないうちにお腹に炎症をおこしていて、既に卵管の閉塞や癒着による卵管性不妊になっていたという方も多数いらっしゃいます。そのため実際に妊娠の努力を始めてから妊娠までかなりの時間と治療を余儀なくされるケースも多々あります。

そこで当院では、不妊症かもと思い始めた方、近い将来子どもを望まれる方には、決定的な不妊の原因がないかどうかを、ある程度短期間にひととおり検査されることをお勧めいたしております。そのうえで妊娠の時期を選択されるほうが将来の妊娠率アップにつながるのではないかと考えています。ほとんどの検査は健康保険で適応可能です。

当院の不妊治療の進め方

  1. 検査を行います。
  2. 検査と同時進行でタイミングを合わせていきます。
  3. 経口の排卵誘発剤を服用する場合や、低用量の排卵誘発剤の注射をする場合もあります。
  4. 人工受精にすすみます。[1][2]と併用することもあります。
  5. 体外受精にすすみます。

検査内容

1.子宮がんの検査

自治体の検診や会社の検診で受けていられる方は必要ありません。

2.超音波検査(エコー)

子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症などの検出には不可欠です。
タイミングを合わせるときも卵胞計測(卵胞の大きさをはかる)に用います。

3.ホルモン検査

生理開始からの日数によって正常値は変わってきますので、すべてのホルモンの検査を1回の採血で終わらすことはできませんが、通常は月経周期の2日目、3日目に(月経開始から2日目、3日目)採血をします。この時は脳下垂体から分泌されるホルモンを主体に検査をします。また、基礎体温の高温相の真ん中あたり(排卵から1週間後、次回月経の1週間前)に黄体ホルモンの検査をして排卵があったかどうか、黄体機能不全がないかどうかをチェックします。その他のホルモンは月経周期に左右されませんので、採血の機会がある時に検査をいたします。

排卵障害があると考える場合、月経周期の長い方に関しては、さらに別の血液検査をいたします。

4.AMH(抗ミューラー管ホルモン)

女性は出生時には皆同じ数の卵子を有しています。(200万個と言われています)それが月経開始とともに毎月の排卵で少しずつ減少して閉経にいたります。AMHは残っている卵子の数を反映していると言われていますが、その減少スピードは個人差がかなりあります。血液検査で簡単に調べることができます。AMHの値が低い場合、妊娠できないというわけではありませんが、その場合は妊娠を先延ばしにしないようにお勧めしています。また、多のう胞性卵巣などの排卵障害がある場合は異常高値になります。

5.卵管造影検査

卵管の狭窄や閉塞、周囲癒着、子宮の位置、形態の異常を調べるものです。水溶性のヨード系の造影剤を子宮の入り口から注入し、X線撮影をいたします。

6.タイミング

排卵の時期を正確に把握するために排卵の時期に来院していただきます。エコーで卵巣の状態をチェックすることと尿や血液のホルモン検査をいたします。

7.ヒューナーテスト

排卵期に性交渉後に来院していただき、排卵期に子宮から分泌される粘液中(頸管粘液)に運動精子がみとめられるかどうかをチェックする検査です。精子の運動能が悪い場合、女性側のホルモン状態により頸管粘液の性状が悪い場合、抗精子抗体が存在する場合は精子が宮内に入っていくことができなくなります。

8.精液検査

近年、男性側の要因が不妊の原因になっている割合が増加しています。男性も半分の責任を負っているといっても過言ではありません。ご自宅がかなり遠方でない限り、お渡しした容器にご自宅で採取して持ってきていただいています。必ずしも男性が来院する必要はありません。クリニック内でも採取可能です。

タイミングについて

上に記載した検査に決定的な異常が認められなかった場合は毎月タイミングを合わせていくことになります。ホルモン状態や体のコンディションは毎月少しずつ違います。また排卵されるすべての卵子が良好で妊娠に結び付くものではないのです。タイミングが合っていても1回で妊娠が成立しないのもそのためです。その確率は年齢が上になるほど下がってきます。タイミングの合わせ方は指導いたします。きちんと排卵している方はご自分でタイミングをあわせることが可能です。わからない場合は受診していただければより正確にあわせることができます。

検査の結果によっては最初から排卵誘発剤が必要な方もいらっしゃいます。

人工授精について

精液を採取していただき、良好精子を選別する処理をした上で、子宮の中に精子を注入するものです。タイミングを厳密に合わせる必要があります。男性側に要因がある場合(精子が少ない、運動率が悪い)、夫婦どちらかに性交障害がある場合、抗精子抗体がある場合などに施行しますが、タイミングで妊娠が成立しなかった場合、不妊原因がはっきりしないのに不妊期間が長くなっている場合もステップアップとして施行しています。

体外受精について

当院は生殖補助医療実施登録機関です。体外受精、胚移植に関する登録と、ヒト胚および卵子の凍結保存と移植に関する登録をいたしております。顕微授精は行っておりません。

人工授精までのステップで妊娠されなかった場合、またこれまでの検査で体外受精をしなければ妊娠は難しいという場合には体外受精に進むことをお勧めすることになります。

排卵誘発のスケジュールは個別に最適な方法を検討いたします。当院の採卵はプロポフォールを主体とした静脈麻酔下に行なっています。麻酔は麻酔専門医が担当いたしております。

現時点では体外受精は保険外診療ですので、あくまでもご夫婦の希望によります。 体外受精を希望される方にはご夫婦で来院していただき、説明する時間を設けています。(インフォームドコンセント)

助成費について

当院は不妊治療費助成事業指定医療機関に登録しています。インフォームドコンセントを行なう際に説明はしておりますが、詳細は居住地の自治体のホームページをご覧ください。

診療案内