基本的に更年期はだれにでも訪れるものであり、病気ではありません。そのため、必ず薬を使って治療が必要ということではないのです。症状が軽い方は、運動をする、趣味を持つ、ストレスを発散するなどの方法で更年期を乗り切ることが可能です。しかし、症状には個人差があり、日常生活を妨げるような症状がある場合は、我慢しないで治療を受けてください。
漢方薬
生薬の効果により、更年期の様々な症状に有効性があります。人によって更年期症状が違いますので、適切な漢方薬も違います。体にあうものが見つかれば、かなりの効果が望めます。
ホルモン補充療法(HRT)
体内で欠乏しているエストロゲン(女性ホルモン)を補うものです。飲み薬、貼付剤、塗布剤などが製剤としてあります。エストロゲンは更年期以後の骨粗鬆症や動脈硬化の予防にも役立つといわれており、正しく使用すれば更年期以後の女性の健康に大変役立つものと考えられます。最適な投与スケジュールは、やはり人によって違いますので、個別に相談して決めています。
エクオール製剤(エクエル)
日本人の健康には欠かせない食材である大豆の中のイソフラボンが、腸内細菌によってエクオールという物質に変わり、これがエストロゲンによく似た働きをしています。しかし、日本人の50%は体内でエクオールを産生できないため、大豆を摂取してもエクオールの効果は得られません。また、通常の食生活では十分なエクオールを産生することはかなり困難です。そこでエクオールを安全に、手軽に摂取するために大塚製薬が大豆を乳酸菌で発酵させて作ったエクオール含有食品がエクエルです。
エクオールのエストロゲン様作用により、更年期症状の改善、骨密度低下の抑制が認められているだけでなく、抗酸化作用により加齢によるシワやたるみの改善効果、動脈硬化の予防効果も認められつつあります。