1.子宮がんの検査
自治体の検診や会社の検診で受けていられる方は必要ありません。
2.超音波検査(エコー)
子宮筋腫や卵巣腫瘍、子宮内膜症などの検出には不可欠です。
タイミングを合わせるときも卵胞計測(卵胞の大きさをはかる)に用います。
3.ホルモン検査
生理開始からの日数によって正常値は変わってきますので、すべてのホルモンの検査を1回の採血で終わらすことはできませんが、通常は月経周期の2日目、3日目に(月経開始から2日目、3日目)採血をします。この時は脳下垂体から分泌されるホルモンを主体に検査をします。また、基礎体温の高温相の真ん中あたり(排卵から1週間後、次回月経の1週間前)に黄体ホルモンの検査をして排卵があったかどうか、黄体機能不全がないかどうかをチェックします。その他のホルモンは月経周期に左右されませんので、採血の機会がある時に検査をいたします。
排卵障害があると考える場合、月経周期の長い方に関しては、さらに別の血液検査をいたします。
4.AMH(抗ミューラー管ホルモン)
女性は出生時には皆同じ数の卵子を有しています。(200万個と言われています)それが月経開始とともに毎月の排卵で少しずつ減少して閉経にいたります。AMHは残っている卵子の数を反映していると言われていますが、その減少スピードは個人差がかなりあります。血液検査で簡単に調べることができます。AMHの値が低い場合、妊娠できないというわけではありませんが、その場合は妊娠を先延ばしにしないようにお勧めしています。また、多のう胞性卵巣などの排卵障害がある場合は異常高値になります。
5.卵管造影検査
卵管の狭窄や閉塞、周囲癒着、子宮の位置、形態の異常を調べるものです。水溶性のヨード系の造影剤を子宮の入り口から注入し、X線撮影をいたします。
6.タイミング
排卵の時期を正確に把握するために排卵の時期に来院していただきます。エコーで卵巣の状態をチェックすることと尿や血液のホルモン検査をいたします。
7.ヒューナーテスト
排卵期に性交渉後に来院していただき、排卵期に子宮から分泌される粘液中(頸管粘液)に運動精子がみとめられるかどうかをチェックする検査です。精子の運動能が悪い場合、女性側のホルモン状態により頸管粘液の性状が悪い場合、抗精子抗体が存在する場合は精子が宮内に入っていくことができなくなります。
8.精液検査
近年、男性側の要因が不妊の原因になっている割合が増加しています。男性も半分の責任を負っているといっても過言ではありません。ご自宅がかなり遠方でない限り、お渡しした容器にご自宅で採取して持ってきていただいています。必ずしも男性が来院する必要はありません。クリニック内でも採取可能です。
タイミングについて
上に記載した検査に決定的な異常が認められなかった場合は毎月タイミングを合わせていくことになります。ホルモン状態や体のコンディションは毎月少しずつ違います。また排卵されるすべての卵子が良好で妊娠に結び付くものではないのです。タイミングが合っていても1回で妊娠が成立しないのもそのためです。その確率は年齢が上になるほど下がってきます。タイミングの合わせ方は指導いたします。きちんと排卵している方はご自分でタイミングをあわせることが可能です。わからない場合は受診していただければより正確にあわせることができます。
検査の結果によっては最初から排卵誘発剤が必要な方もいらっしゃいます。